光と影 2019 9 22
書名 地図で歩くカンタン東京さんぽ 2020
出版社 JTBパブリッシング
私は、時々、東京に観光でやってくる人たちは、
不便を感じていないだろうかと思っています。
観光客は、ガイドブックを片手に東京の街を歩き回るのでしょうが、
そのガイドブックが使いにくいのではないかと考えています。
せっかく観光にやってきてくれたのに、
不便な思いをしてはいないだろうか。
もちろん、旅行先で道に迷ったことも、
旅の思い出になると言いますが、
そういう思い出になるのは、若者だけでしょう。
年配の方は、そう感じないでしょう。
たいていのガイドブックは、
名所や名店を紹介する記事があって、
その場所は、巻末の地図を見てくださいという構成になっています。
しかし、地図を見るのが苦手という人が少なからずいます。
たとえ、苦手でない人でも、土地勘がない旅行先では、
急に地図を見るのが苦手になってしまうかもしれません。
この本は、地図の中にガイドブックが埋め込んであります。
そういう構成なので、情報量は減ってしまいますが、
初めて東京に来た人にとっては、十分な情報量だと思います。
それならば、スマートフォンで可能ではないかと思うかもしれませんが、
スマートフォンは画面が小さく、地図を表示してしまうと、
画面が見ずらいものとなってしまいます。
地図を表示するならば、タブレットが、ちょうどよいサイズとなります。
さて、このガイドブックの英語版を作れば、
外国人観光客にとっては、非常に助かるでしょう。
このガイドブックを分冊にして、
小冊子にして、成田空港で配布する手法があるかもしれません。
ところで、外国人は、日本は現金決済が多く、
キャッシュレス社会が進んでいないと言いますが、
実は、キャッシュレス社会には、光と影があります。
たとえば、クレジットカード決済で考えてみましょう。
クレジットカードでは、いつも本しか買わない人が、
突然、ブランド品のハンドバッグを買うようになった。
このような買い物に対しては、
クレジットカード会社のコンピューターは、
あなたに警告を与えることができるでしょう。
「あなたのクレジットカードは、盗難に遭っていませんか」
もちろん、これは盗難ではなく、
恋人ができたので、
クレジットカードでハンドバッグを買うようになったのかもしれません。
コンピューターの「杞憂」、
いや、コンピューターの「余計なお世話」になるかもしれません。
しかし、クレジットカード会社が「AIコンピューター」を導入すれば、
もっと精密に、あなたの心境の変化を判定できます。
急に買い物履歴が変わったが、詳細に分析すると、
恋人ができた時の買い物パターンである。
決してクレジットカードの盗難ではない。
お幸せに!
そのように「AIコンピューター」は判定するでしょう。
やがて、多くの人が「AIコンピューター」を頼りにするようになり、
「AIコンピューター」を「神」のように信仰する人が出てくるでしょう。
これは、「AIコンピューター」を作る人にとっては、
いや、「AIコンピューター」を管理する人にとっては、
一種の快感を感じることになるでしょう。